女性の仕事といえば、看護師という仕事がまず初めに頭に浮かびます。これは、単なる私だけの個人的なイメージでもないでしょう。女性の持つきめ細かい優しさを、男性には期待しがたいとする意見が多く見受けられます。それは、男尊女卑の逆パターン的思考のように聞こえますが、先天的に備わった性差なのだからしかたがないように思います。
ところが、最近ではその女性の仕事とされる看護師に、男性が進出しているそうなのです。かつて、看護婦と呼んで支障がなかった女性の仕事場としての医療現場に、男性が従事するようになって「婦」という呼称が不具合になり、看護師と呼称に変わりました。
看護師を希望する男性が増えてきたのは、日本だけでの現象ではありません。最近、読んだ資料によると、米国・テキサス州では男性の看護師がこの10年で倍増したのだとか。ところが、女性の仕事を奪っているわけではありません。どうやらこうした職種の雇用が増えている背景があるようなのです。
その記事を読み進める中で、米国の医療現場における看護師の待遇の違いを知りました。女性の仕事としての定番の看護師は、日本においては厳しい仕事内容が常識化しています。献身的に働く女性の看護師は、賃金を度外視したかのような働きぶりが見受けられます。
一方、米国の事情はガラリと違います。米国男性が看護師を選んだ理由に挙げているのは、家庭で過ごす時間が多く、ストレスの少ない生活を選んだとのこと。日本の看護師にとってみれば、まさに別世界です。
米国において男性が本来は女性の仕事とされていた看護師に、従事することを厭わないのは、不況で働き口がなく辛抱して看護師になったのではないようです。これは、単なる生き方に変化が出てきたということでしょう。その点については、日本も同様だと感じます。